京王断酒会は昭和四十六年七月発足です。
京王線沿線の会という意味だったのでしょうが、調布から八王子までと広い範囲にまたがっていますので会員の住所もさまざま。一時間以上かけて来る人もいます。以前は府中で活動していましたが、現在は調布が中心になっています。
風見会長の前に三人の会長がいましたが、今在籍なのは、ご存じ!T氏だけです。以前大病をされましたが、お元気になられて本当に良かったです。
活動は、例会、懇談会、家族会、家族相談会、ダンディーズ、レディース、年越例会のプログラムに加えて、一泊研修会、ザ・体験談、誕生会、遠足、いも煮会、忘年会、病院へのメッセージと行事も多彩にあり、その上での他の断酒会への出席と、みんな本当にがんばっています。
特にザ・体験談は一時間かけて体験談を話してもらいます。それぞれの方の人生の物語を聞かせてもらうと、その人がすごく近い存在になっていくように思います。一泊研修会でのふれあいもそうですが、なぜアルコール依存症という道を歩んでしまったのか、ということが理解できるように思います。
平成十六年にNPOを取得、断酒会回りであまりにも沢山の仲間の死に出会い、少しでも何とかしようという思いでもう一本の柱、自立支援センター「いばしょ」を立ち上げました。市役所や大家さん、沢山の仲間の助けをかりて、平成十八年四月の発足になりました。
手探りの歩き出し、プログラム作り、皆で毎日を過ごすうちに十年という時が経ちました。「いばしょ」の目的は、断酒はもちろんですが、生活改善を目指しています。仲間の声で紹介していきますね。
●「いばしょ」は作業所ではありません。断酒のための基本の生活を見つけるため、午前、午後のミーティングを軸に規則正しい生活リズムを作る場所です。
●怖ーい?お父さんと、やさしい?お母さんと、口うるさい?お姉さんや妹がいる大家族です。いつも十人前後の人達が生活をしている訳ですから、当然ぶつかることもありますが、そこがチャンスです。お酒に逃げないで問題に立ち向かう、そして我慢する訓練が出来ます。「いばしょ」は思いっきりバリアありです。
●一人ではなかなか出来ない断酒と、本来の生活習慣を再度身に付けられる場所だと思います。スケジュールも個人に合わせ自分なりに体力をつけ、もう二度と飲酒を繰り返さないよう努力します。
●井之頭病院で断酒は一人では出来ないことを学び「いばしょメッセージ」で話を聞き、退院後はお世話になることを直ちに決意しました。「いばしょ」はいつでも仲間と一緒に居られる、まさに居場所であり、私にとってこんな居心地の良い所はありません。先輩から教えられることが多々あり、今後ともお世話になり続けたい。
●退院して一ヶ月が経ちました。最初「いばしょ」にお世話になった日に訳もわからないまま、例会に参加しました。すぐ仕事に戻りたいと思う気持ちでしたが、今考えると無理だったなと思う。「いばしょ」で美味しいお昼も食べられ、生活のリズムも徐々に整ってきて、ゴミ屋敷のようだった部屋も片付きました。仕事に戻っても、例会に参加し、断酒を続けていきたい。
●アットホームな感じで、お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さんetcが沢山いる場所。にぎやかで温かい所プラス自分の人生を振り返るミーティングが行える場所。先輩の立ててくれたプログラムに従うことにより、多少のつらさ、キツさもあるが、年数を重ねる度、気持ち的に楽に酒をやめ続けられる会です。
●「いばしょ」に通所して、規則正しい生活が出来ています。朝目覚まし時計を二つかけていますが、その前に目覚めるようになりました。また三食きちんと食べられるようになりました。
●毎日居られる場所があり、同じ病気の人達が居て自然と心が開かれていく。生活が協同作業の中に新たな気付き温もりを与えられる。
●信じていた人に裏切られ裁判にまでかけられた私は、アルコールに逃避しました。その時出会った「いばしょ」は私にとってバラの花でした。
●「いばしょ」は俺にとって、人を感じさせた場所、居心地がいいとか悪いとかは二の次、「居場所」です。
●通い始めた頃は、中は敵だらけに感じていました。少しずつ「自分でいい」ということを教えてもらい、自分が嫌でしかたなかった私が、自分を好きになってもいいと思えるようになった。
●とにもかくにも京王の女性達は強すぎです。問答無用、アル中ども、黙って私の言う通りにしなさいという雰囲気アリアリの会です。言う通りにすると、不思議と酒は止まるのです。京王レディースとは?
●主人がアルコール依存症になって、どうしたらいいかわからなかった。親にも友達にも妹にも話すことが出来なかった。怖くて、辛くて、思いを初めて話すことが出来て、その辛さを共感して、支えてくれた所です。
●私にとって駆け込み寺です。
●心のより所です。ガタガタな心をつつんで下さるありがたい所で皆さんに話を聞いていただき、皆さんの話しを伺い、クリアーになって家に帰れます。
●みんなの体験を聞いて心がホッとする場所です。
●家族が自分らしさを取り戻すことが出来る場所。自分の寂しさの根源を知り、それを夫に求めていた頃を振り返り、最後に自分の強さを認めることが出来る場所です。
●最初は涙が止まらなかったが、「息子は社会で育ててくれるのよ」と言われ、だんだんと治ってきた。
●嫌でも自分のことを考えさせられる。女の人生そのものを語って幸せになれる所です。
●傷のなめあいではなく厳しい中に仲間を思いやる雰囲気があるので、だんだん重いものをおろしていけます。